BEFORE YOU BUY A VIOLIN

バイオリンを買う前に押さえておきたいポイントII

「査定したバイオリンは、そんなに“駄目”な楽器だったの?」
ここでは前回の続きとして、査定額が伸びにくい理由を“楽器のタイプ別”に整理します。
大切なのは、良し悪しを断定することではなく、中古市場でどう評価されやすいかという視点を持つことです。

まず最初に:査定は「音」だけで決まりません

「よく鳴る」「見た目がきれい」でも、査定額が伸びにくいケースがあります。
それは、中古で再販できるか/買い手がつきやすいかという条件が大きく関わるためです。

ここでのポイント

・購入時の満足度と、売却時の評価は一致しないことがあります。
・「市場での需要」「つくりの安定性」「情報の明確さ(出自が説明できるか)」が査定に影響します。

中国製バイオリン

パーンと音が出て、見た目も華やか。初めて弾いたときに“音量がある”と感じやすいタイプです。
ただし近年よく見られる一部の傾向として、裏板を薄く削って反応を強くしている作りがあります。

  • 音が出やすい反面、遠鳴り(ホールでの伸び)につながりにくい
  • 耳元でキンキンと感じやすく、“鳴っている感”が強く出ることがある
  • 弾き込むほどに変化が早く、状態維持が難しい場合がある

コメント

中国工房製の手工バイオリンであっても、中古品として再販するのが難しいケースがあります。
たとえコンディションが良くても、残念ながら査定額が上がりにくい傾向が見られます。

ドイツ製(廉価版)バイオリン

廉価版と聞くと、「材が悪い」「作りが雑」といったイメージを持たれがちです。
しかしドイツにはマイスター制度があり、工房には称号を持つ職人が在籍し、一定の品質チェックが行われる文化があります。

見えない部分で差が出るところ

パーツを外してエンドピンの穴から内部を覗くと、細部まで丁寧に作られている個体もあります。
音のバランスが良く、多少こもりがあっても「調整で伸びる余地」がある楽器は再販が現実的になります。

コメント

“廉価版=価値がない”ではありません。
今回のタイプは、調整次第で再販できる可能性があると判断できる楽器でした。

当社が重視していること

当社では、見た目の派手さよりも楽器のつくりがしっかりしていることを重視しています。
また、下取りは新たに購入するバイオリンのランクによって条件が変わりますが、一般的に「買取」より金額が上がりやすい場合があります。

ひとつだけ現実的なアドバイス

アジア圏のバイオリンを買取に出す場合は、まず購入した店舗に相談してみてください。
同じ店舗のほうが事情を把握しており、条件が整いやすいケースがあります。

イタリア製バイオリン

イタリア製は、品質やブランドだけでなく需要と供給のバランスが査定に強く影響します。
たとえば「国内で同クラスが常に手に入る(供給過多)」「海外オークションで高値がつきにくい」 「現在の販売相場が当時より下がっている」などが重なると、査定は下がりやすくなります。

コメント

今回のケースでは“イタリアとしての価値”も考慮しつつ、
現在の相場が当時より安いという前提から査定額を算出する必要がありました。
また、お店選び(適正価格で買えるか)は将来的な満足度に直結します。

逆に、新作イタリーでも若手〜中堅クラスで「これから評価が伸びる」作家に出会えた場合、
10年後に今回とは逆のパターン(高評価査定)になるケースもあります。

オリジナルブランド(自社ブランド)に注意したい理由

オリジナルブランドとは、そのお店が自社で立ち上げたブランドのことです。
生産国などが書かれていても詳細が不明確な場合があり、中古市場で説明がしづらくなることがあります。

よくあるケース

・情報が曖昧で、他店では買取不可または査定が厳しくなる
・下取り・買取を考えるなら「購入した店舗」に持ち込むほうが話が早い場合がある
・他店では中国製と同様に査定が厳しくなりやすい

まとめ:次の一本を選ぶ前に、ひとつだけ確認

もし今、購入を検討しているバイオリンがあるなら、
「次に買い替えるとき、この楽器はいくらで下取り/買取になるだろう?」と 事前に一度だけ考えてみるのも、賢い選び方のひとつです。

皆さまは、どう思われますか。

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