TOP 吉原啓介の弦楽器製作|クレモナ・ミラノで活動する製作家

吉原啓介の弦楽器製作|クレモナ・ミラノで活動する製作家

吉原 啓介|弦楽器製作家

吉原 啓介は、クレモナを拠点にミラノとクレモナで活動する弦楽器製作家です。ヴァイオリン、ビオラ、チェロの製作を行い、イタリアで学んだ製作・修理・ニスの技術を土台に、現代の演奏者に寄り添う楽器づくりを続けています。ミラノの1900年代の名工、とくに G.OrnatiF.Garimberti の楽器に強く惹かれ、その美意識や造形感覚を受け継ぎながら、響きだけでなく、手にした瞬間にも美しいと感じてもらえる楽器を目指して製作しています。留学先のミラノ市立弦楽器製作学校では首席で卒業し、在学中から工房での実務も経験。2021年にはイタリア・グッビオの若手製作家コンクールで2位を受賞するなど、着実に評価を重ねてきた製作家です。

■ 基本情報

氏名吉原 啓介
職業弦楽器製作家
拠点クレモナを拠点に、ミラノとクレモナで活動
製作楽器ヴァイオリン、ビオラ、チェロ
留学先ミラノ市立弦楽器製作学校
主な受賞2021年 国際ヴァイオリン製作コンクール「1° CONCORSO INTERNAZIONALE GIOVANI LIUTAI」2位
特徴ミラノの名工の流れを踏まえた造形と、演奏者に寄り添う響きの両立を目指した製作

プロフィール

吉原啓介

■ 製作家としての歩み

国内の楽器業者で働くなかで、扱う側ではなく、実際に楽器を生み出す技術者になりたいという思いが強くなり、退職後に島村楽器テクニカルアカデミー(旧代官山音楽院)へ進学しました。そこで高倉匠、山本耕司、岩田哲郎らから、弦楽器製作と修理の基礎を学び、製作家としての土台を築いています。楽器店での経験と製作教育の両方を経たことが、演奏者や現場の感覚を踏まえた楽器づくりにつながっています。

イタリアで学んだこと

2019年にミラノ市立弦楽器製作学校へ留学し、製作を Paola Vecchio、Mattia Riva、Valentina Montanucci から、修理を Stefano Bertoli、Emanuele Bedini から、ニスの技術を Alessandro Peiretti から学びました。製作だけでなく修理や表面仕上げまで含めて総合的に学んだことで、単に形を作るだけではない、楽器全体の完成度を意識した視点が培われています。2023年には学年で唯一の100点満点で卒業試験に合格し、首席で卒業しました。

工房での経験と現在の製作姿勢

在学中の2022年からは、ミラノの Gibertoni & Nalin 工房で弟子として活動し、製作アシスタントも務めてきました。学校内外での活動が評価され、卒業後にはイタリアの職人・芸術家を支援する Fondazione Cologni の若手芸術家支援プロジェクト “Una Scuola, un Lavoro. Percorsi di Eccellenza” に採用されています。実地の工房経験を積みながら、自身の製作にも磨きをかけ、見た目の美しさと演奏時の手応えが自然につながる楽器を目指しています。

製作の方向性

吉原啓介がとくに好んでいるのは、G.Ornati や F.Garimberti に代表される1900年代ミラノの楽器です。輪郭の美しさ、たたずまいの上品さ、そして演奏時の豊かな表情に魅力を感じ、それらを単なる模倣ではなく、今の演奏者が使いやすい楽器として再構成しようとしています。弾いたときに良いと感じてもらうだけでなく、手に取った瞬間に説明なしでも美しいと思ってもらえるような楽器を目指すという姿勢に、その製作の核があります。

ヴァイオリン作品

■ 2022 Garimbertiモデル / 2020 Ornatiモデル

2022 Galimbertiモデル ヴァイオリン 2020 Ornatiモデル ヴァイオリン

ヴァイオリン作品には、吉原啓介が強く影響を受けたミラノの名工たちへの視線がよく表れています。2022年の Galimberti モデルは、端正さの中に張りのある輪郭を感じさせるたたずまいが印象的で、現代の演奏環境にもなじみやすい明快さがあります。2020年の Ornati モデルは、やわらかな流れと気品を感じさせる表情があり、同じミラノの系譜でも異なる美意識が丁寧に反映されています。参考にするモデルの個性を受け止めながら、自身の感覚で楽器としてまとめ上げている点に魅力があります。

チェロ作品

■ 2023 Garimbertiモデル

2023 Galimbertiモデル チェロ

2023年の Galimberti モデルのチェロは、チェロらしいスケール感を保ちながら、全体の線が重たくなりすぎず、整った造形として見られる仕上がりが印象的です。チェロでは響きの厚みや存在感が求められる一方で、見た目のまとまりや上品さも大切になりますが、この作品にはそうした両面への意識が感じられます。力強さだけを前に出すのではなく、品のある表情や自然な流れも重視しており、吉原啓介が目指す「持った瞬間に美しいと思える楽器」という考えがよく表れています。

■ 受賞・評価

2021年イタリア・グッビオ 国際ヴァイオリン製作コンクール「1° CONCORSO INTERNAZIONALE GIOVANI LIUTAI」2位受賞
2023年ミラノ市立弦楽器製作学校を学年唯一の100点満点で首席卒業
卒業後Fondazione Cologni 若手芸術家支援プロジェクト “Una Scuola, un Lavoro. Percorsi di Eccellenza” に採用

■ オフィシャルホームページ

吉原啓介氏の最新情報や活動については、オフィシャルホームページもあわせてご覧ください。

※ 掲載内容はご提供情報をもとに構成しています。
※ 画像・作品情報の掲載内容は更新される場合があります。

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